首こりと切っても切れない筋肉の一つが胸鎖乳突筋です。
顎関節のトラブルになっている方にコリが出てくるのがこの胸鎖乳突筋。
肩こり症の人に顎関節症の痛みが始まるとこの胸鎖乳突筋のコリが強くなります。

僧帽筋とともに直接下顎を動かす筋肉ではありませんがガク関節の軸受である下顎頭の受け皿となる頭の骨を支える筋肉です。
この筋肉は耳のすぐ後ろにある乳様突起から斜め下前方に伸びて胸の上端で胸骨と鎖骨に付着しています。

鎖骨がコリがあるという方が時折いますが胸鎖乳突筋に強いコリを確認することが出来ます。
顎関節症になって咀嚼筋に痛みが出ると緊張が首まで広がり痛み始める時があります。
顎関節症がよくなってもこの筋肉にコリが残ることはよくあります。

胸鎖乳突筋は深部の斜角筋と同時にコリが強い。
両方の治療が必要となることが多いです。

胸鎖乳突筋は歯ぎしり、噛みしめ、食いしばり、前かがみで仕事をすることが多いデスクワークの方や、むち打
ち症などの患者さんに多く、首のコリを訴える多くの患者さんにコリが強い筋肉です。

この筋肉は姿勢保持筋であるため緊張しやすく緊張が長期に続くと深いところに存在する頸部筋の筋力低下を招くとされています。

胸鎖乳突筋の支配神経は副神経と呼ばれる脳神経です。

よくある胸鎖乳突筋にコリが出てくる原因

・長時間首を前屈していることが多い。
(パソコン作業などが代表的な姿勢)
・むち打ち症になったことがある。
・寝違いている。
・頭痛持ちである。
・頭痛は、こめかみが痛くなる。
・頭痛は、ひたいが痛くなる。
・顎にも関連痛を誘発する顎関節症の痛みの原因となる
ので顎の癖もチェックする。
・眼の奥まで痛く感じることもある。
・背中が丸まっている。
・強いストレスを抱えている。

その他のチェックポイント

肩こりと同時耳鳴りや目のかすみがあることが多い。
起立性のめまいがある。
肩こりと同時に顔面神経痛がある場合がある。

痛みがある側と反対側に斜め上を見上げる姿勢をしている。
これはコリがある胸鎖乳突筋を伸ばそうとしている姿勢です。
テストとしては首を前に倒す、横に倒して痛みが強くなる。

施術方針

首だけという施術だけでは、なかなか長期間改善しない。
胸鎖乳突筋に関係する関連筋群(経絡)を指圧をしながらチェックします。
指圧・按摩は診断即治療の原則で進めていきます。

問題点も原因によって施術のポイントが変わります。
大きく分けてストレス、顎関節問題、ムチ打ちに分けます。
ストレスと顎関節は大変似ています。
ストレスが強くて歯ぎしりや噛みしめで顎関節に負担をかけているからです。

ムチ打ちは外的に原因なのでポイントが変わってきます。
柔道やボクシングなど首にかかる方もむち打ち状態になっている方もいます。

最初に胸鎖乳突筋、斜角筋のコリを指圧し深さを確認します。
多いのは胃経と胆経と呼ばれる関連筋群の指圧です。
全身チェックして問題の多い筋群をバランスを見ながら施術します。

時間が経過している症状などは鍼灸をススメることがあります。
眼科疾患や耳鼻疾患の患者さんは胸鎖乳突筋に反応が出ていることがあり、治療で軽減することがあります。

鍼灸は効果的な方法の一つです。
鍼が苦手な方は是非お灸を試してみてください。ホンワカして後に温かくなる不思議なお灸です。