神奈川県県立こども医療センターのサイトによると、股関節脱臼の発生率は、100人に2~3人から、1000人に1~3人と激減しました。これは、コアラだっこのような赤ちゃんの股関節を開いて足を自由に動かせるような保育方法の啓蒙が行われたためです。また、母やきょうだいに先天性股関節脱臼の人がいる場合は発生率が高くなります。
増永先生は、股関節脱臼は腹部から下肢への経絡の歪みで、関節の支えがしっかりしていないためだと考えています。これは、重度の股関節脱臼ではなく、股関節のはずれやすい子の症例です。
股関節がはずれ、歪んだままにしておくと、矯正が難しくなります。また、胃腸が弱く下痢がしやすいとか食の細い子がほとんどだそうです。これは、足を固定されて動きが制限されたために、余計に胃腸の動きを悪くしたものです。
両足を真横に広げられないのは股関節が脱臼しているからだと診断にも使われていますが、腹部から下肢の経絡がツレていれば、子供がまた嫌がるのは当然です。
非常に指圧の技術について参考になることが書かれています。
腹部を手当てしながら下肢の指圧をしていくと、つれた筋が硬く、指に当たる。これを押すのではなく、手指で温めてゆるむようにしてやるのがコツである。
最初は、「押すのではなく」という言葉の意味を理解するのに苦労しました。
昨日は、40代の方の股関節のひっかかりの相談を受けました。
やはり腹部と下肢を指圧しつつ、引きつれを確認しながら氷を溶かすようにゆるめていきました。
指圧は、引きの技術と言われた先生がいますが、私もそう思います。