論文を漁っていたら指圧の論文が出てきたのでご紹介します。
指圧のエビデンス:指圧と指圧のシステマティックレビュー(体系的な文献レビュー)が,ありましたので紹介いたします。
海外の論文で英国指圧協会の助成を受けた研究で2011年に発表されたものです。
https://link.springer.com/article/10.1186/1472-6882-11-88
指圧は、ヨーロッパでも注目を集めていますが、科学的な証拠が不足しています。このシステマティックレビューでは、指圧に関する9件の研究と71件の関連研究を検討しましたが、エビデンスの量と品質は不十分であると指摘されています。
指圧は、中国伝統医学に基づく手技療法です。
最近ではヨーロッパでも注目を集めていますが、科学的な証拠が不足しています。
指圧は通常全身に行われ、診断は中医学のような脈診や舌診ではなく、触診が主な方法です。
指圧師は解剖学的な知識や150以上のツボの使い方について訓練を受けており、そのため指圧の効果に関する証拠が存在する可能性があります。
ヨーロッパでは様々な指圧が行われていますが、そのスタイルやアプローチは異なります(例: 禅指圧、マクロビオティック指圧、ヒーリング指圧、タオ指圧、セイキ、浪越指圧、原指圧など)。
この研究では、1714件の論文を調査し、その中から9件の指圧研究と71件の関連研究を選びました。指圧研究は1件のRCT(無作為化比較試験)、3件の非ランダム化対照研究、1件の被験者内研究、1件の観察研究、3件の非対照研究で構成されています。ただし、これらの研究のエビデンスの量と品質は不十分であることが指摘されています。
◎効果が期待できる領域
疼痛(特に月経困難症、腰痛、陣痛)
術後の吐き気、嘔吐
高齢者の施設入所者における睡眠の改善
◎エビデンスが不足している領域
腎疾患症状
認知症
ストレス、不安
呼吸器疾患
◎注意点
研究デザインや評価ツールには改善の余地がある
研究にバイアスの可能性も指摘されている
まとめ
指圧が疼痛、吐き気・嘔吐、睡眠に有益である可能性があることは示唆されていますが、さらなる研究が必要です。
指圧の効果が期待できる領域は、疼痛、吐き気・嘔吐、睡眠です。
腎疾患症状、認知症、ストレス・不安、呼吸器疾患については、さらなる研究が必要です。
研究デザインや評価ツールには改善の余地があり、研究にバイアスの可能性もあります。
指圧の研究デザインや評価ツールには改善の余地があり、研究にバイアスの可能性もあります。
さらなる研究により、指圧の効果の信頼性が高まることが期待されます。
日本での手技の研究が進むといいなと思います。