お灸はどのような方法ですか?

お灸は、蓬(よもぎ)の葉を原料として燃やして行う治療法です。
蓬(よもぎ)の葉の裏の産毛を精選して使います。
精選されたものを艾(モグサ)と呼んでいます。

艾と他の植物の違いは,艾は燃焼温度が比較的低いとされています。
また精油が治療効果を高めるとされています。

中国医学に由来しています。血液を強化し、気の流れを促進し、健康を維持することを目的としています。
中国医学によると、気の循環を良くすることで、消化器系の問題や慢性的な痛みなど、様々な問題に対処しています。

仏教とともに大陸から渡ってきて仏教医学の一つになっています。

どのような方法ですか?

お灸は、直接または間接的に使用しています。
直接灸をする場合、艾(もぐさ)を特別な形状にして「お灸を据(すえ)ます」。
体のツボにおいて燃焼させます。

間接灸のときは,艾のに点火しゆっくりと燃焼させます。
熱さを感じ始めたら艾を取り去ります。

鍼の上にもぐさを置き点火する場合もあります。
これを灸頭針と呼びます。
もぐさは消えるまで鍼の上で燃えます。
その熱は輻射熱と呼ばれ皮膚面を温めます。
イメージ的に鍼を通して熱がツボに伝わる言い方をする場合がありますが,実際は鍼の効果と灸の輻射熱の効果です。

間接灸は家庭でも行われている一般的で安全な方法です。
この方法では、燃えているもぐさを直接肌に接触させません。
生姜を切って大きな艾を乗せる場合もあります。

棒灸の場合,皮膚の表面近く灸を体から1センチほど離したところに置き熱を加えます。
施術者は皮膚が赤く温かくなったら、または熱くなったら艾(もぐさ)を皮膚から離します。

間接的な使い方としては、塩やニンニクなどの保温材を使う方法もあります。
また棒状の艾(もぐさ)を枇杷の葉のエキスを湿らせた布などツボに置いて体に当てることもあります。

当院で行っているのは主に知熱灸と呼ばれる方法と棒灸,台座灸の3通りです。

お灸の利用法

お灸で発生する熱は、体全体のエネルギーの流れを良くするのに役立つといわれています。
経絡として知られているいくつかの経路を介して行われます。
中国の伝統医学は、あなたの体が健康と幸福を達成するために不可欠なエネルギーの刺激と見なします。

お灸は、気の流れが滞ると心身の不調につながるという考えに基づいています。以下のような治療によく用いられています。

当院では特に

  • 疲労感
  • 腰痛
  • 関節炎
  • 捻挫
  • 五十肩
  • 筋肉のこわばり
  • 不妊症
  • 月経痛
  • 喘息
  • 風邪を引きやすい
    などでよくお灸をしています。

お灸の効果

お灸が健康にどのような効果があるのか日本では明治から昭和にかけて医療機関でいくつつもの研究が行われています。
様々な治療における手順の安全性と有効性を見つけるためためです。

この昔の研究データのお陰で1分アフリカの国で結核やエイズを家庭での管理に使われています。

現在でも一部大学病院の研究室でお灸のデータは取り続けられています。

ある研究では、お灸は慢性腎臓病に対する優れた治療法であることが判明しました。
研究者たちは、高用量で腎機能低下の原因となる血清クレアチニンを減らすのに大きな効果があることを発見したのです。

ほてり

閉経後の女性51人を対象とした研究で、ほてりに対するお灸の効果の確立が試みられました。
その結果、14回のお灸をすることで、ほてりの程度や頻度が軽減されることがわかりました。
潰瘍性大腸炎 腸の炎症を治療するためのお灸の使用に関する既存の科学的証拠は、決定的ではありません。
研究では、潰瘍性大腸炎を持つ人々に対して、この技術は何の利益も提供しないと判断されました。しかし、これらの研究は低品質であった。

炎症性腸疾患の治療におけるもぐさ熱の安全性と有効性を確立するための研究は現在進行中です。

逆子出産

お灸は、逆子を改善する安全な方法と考えられています。
改善率が8割という都内での大学病院のデータがありました。
まだまだデータき必要でしょうが逆子の灸は私の母校の校長先生は産婦人科医でした。安産の灸の論文を発表して自身の産婦人科でお灸が使われていました。

お灸が逆子矯正のための医療処置の必要性を大幅に減らすことができます。
校長先生がそうだったように鍼灸師のいる医療機関や助産院で使われていることもあります。

お灸と合併症の可能性

お灸は、統合的・補完的な治療法として試す価値のある治療技術です。
しかしいくつかのリスクをお話しておきましょう。
1つは火傷のリスクですが,ヘルニアなどつらい症状の場合は透熱灸とよばれる少し火傷をさせる方法が効果的です。
小さい火傷で痛みがげきてきにおちつくことも多々あります。

特に一人で行う場合は間接灸に徹するのがベストです。
背中とかは一人では出来ませんので手や足,お腹や胸などになります。
それでも一定の効果はあります。

その他に考えられる副作用は以下の通りです。

蓬(よもぎ)によるアレルギー(キク科)
だるさ
微熱
煙による咳
妊娠している場合、胎児の苦痛
早産(安静を支持されている場合やあまりにも胎児が下に降りている状況ではやりません)