増永静人著「経絡指圧治療 百話」第四話|五十肩

卒業してから、尊敬する鍼の先生に「苦手な症状はありますか」と聞いたところ「五十肩」と速攻で答えていただいたことがある。

先生でも苦手があるのかと思ったものであるが、臨床に出てから「五十肩」については無力を感じることが多い。

肩甲骨周りがコリでロックされるような形で動かすと痛いのを「五十肩」と言ってくるタイプのものは、おそらく「五十肩」ではない。

これは比較的改善するからだ。

増永先生も書いておられたが、押したり動かして電撃的な痛みを与えてはいけないのだ。

萎縮した筋を伸ばそうというのもご法度だ。
小指側の小腸経、「後渓」をつまんだりして、経絡テストで動きが改善する場合、いい確率でその筋を辿って揉み療治・指圧をする。

小腸経、三焦経、大腸経筋と三角筋付着部のコリを見つける。

最後は、運動法で改善を確認する。


院長院長

増永先生は「手が十分に回らない」という器官言語を味わうべきであるという。

「手が十分に回らない」状態は、日常生活の中で、必要なタスクをすべてこなすための時間や労力が足りない状態を表す言葉です。
ストレスや疲労、不安などの原因となり、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があり。

私が五十肩になったのは、確か40代はじめの時。
数ヶ月の、それこそ「肩の違和感」から始まり「肩関節の引っかかり」に進み、そしてある日、突然腕を動かすと電撃的な痛みが出るようになりました。

これは、筋の萎縮とかではなく、拮抗筋などのスウィッチと連動が上手く行かず骨に響く用に感じたのを思い出します。

接骨院にいたときは、随分と症例を見させていただきました。
炎症(腫れ、熱、発赤)まで進むと炎症の養生となりますが、炎症はマレなような気がします。

慢性期に入った場合は、肩関節が固まらないように動かすのが吉です。