増永静人著「経絡指圧治療 百話」第七話|甲状腺腫

増永静人先生は、甲状腺腫の症例が随分あるようで驚く。
先生が執筆されていたのは、昭和55年以前。
食生活の問題が、盛んに言われていた時代です。
魚の中の常識も時代とともに、変わり、この時代の研究発表に、「大豆を食べると甲状腺癌になる」といったものがあるそうです。
もう一つの発表としてヨードを一緒にとればガンにならないという実験結果もあったそうです。
日本は、昔から大豆は昆布と煮ていて、大豆や味噌醤油はヨードの多いにがりが粗塩で作られているので心配するほどではないのですが、発表されたのを見ると驚きますよ。
焦げたものは食べるとガンになると騒がれた時代もあります。

増永静人先生の第七話に紹介されている親子は、強いストレスと偏食が原因でなかったかと推察しています。母親は、喉の腫れが、小さくなったので、担当医に相談したところ、「珍しいケースなので手術させてほしい」と懇願され不信感を持ち、手術を選択せず様子を見ながら指圧を選択しました。
二ヶ月、十回の指圧で改善し手術はせずに済んだそうです。

甲状腺腫とは、甲状腺が異常に大きくなる病気です。
甲状腺は、のど仏の下にある蝶形の臓器で、甲状腺ホルモンを分泌しています。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝を調節する重要な役割を果たしています。

甲状腺腫には、良性と悪性の2種類があります。
良性甲状腺腫は、95%を占めており、ほとんどの場合、治療の必要はありません。
悪性甲状腺腫は、5%を占めており、早期発見・早期治療が重要です。

甲状腺腫の原因は、明確に分かっていません。
次の要因が関与していると考えられています。

* ヨウ素欠乏
* 遺伝
* ウイルス感染
* 自己免疫疾患

甲状腺腫の症状は、次のようなものがあります。

* 首の腫れ
* 息苦しさ
* 嚥下障害
* 声のかすれ

甲状腺腫の診断は、以下の方法で行われます。

* 触診
* 血液検査
* 超音波検査
* CT検査
* MRI検査

良性甲状腺腫の治療は、基本的には経過観察です。
以下の場合には、手術が検討されます。

* 腫れが大きく、首の見た目が気になる
* 圧迫症状がある
* 悪性化するリスクが高い