増永静人著「経絡指圧治療 百話」第五話|胃潰瘍

増永先生の経絡指圧治療百話に出てくる「胃潰瘍」は、まだピロリ菌が発見されていませんでした。

当時は、暴飲暴食やストレスが胃潰瘍の原因であると考えられていました。
また、胃の中にらせん形の細菌がいるという説は出ていました。しかし、胃の中は強い酸性だから細菌は生息できないという説が有力でした。

ストレスは大きな一つの引き金になると思います。
胃腸が人の心の変化を反映し、 胃腸は心の鏡と言われていることもあります。
皆さんにもこんなことがあるでしょう。「考え事があるとご飯が食べられない」「心配事があると胃が痛くなる」。旅行に行くと「便秘」になるなど。
これはストレスにより胃腸の緊張が高まったり、収縮して痙攣状態を起こすためです。
現代社会は老いも若きもストレスの中で生活しています。

ピロリ菌は、胃に炎症を引き起こす細菌です。この炎症が長く続くと、胃の粘膜が薄くなってしまったり、腸の粘膜のような細胞に変化してしまったりします。これらの変化は、遺伝子の異常を引き起こし、胃がんになるリスクを高めます。

ピロリ菌は、胃潰瘍の原因の約8割を占めると考えられています。ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜が炎症を起こし、潰瘍や胃がんのリスクが高まります。

以前、私の患者さんにも胃潰瘍を発症させてしまった方がいます。この時期この方は強いストレスを抱えていて、まさにストレスで胃潰瘍になったともいえます。
またコーヒーが大好きな方で止められませんでした。コーヒー飲むと辛いというので、止めればいいのですが、なかなか止められません。

ストレスやコーヒーの摂取は、胃潰瘍のリスクを高める可能性があります。
また、胃潰瘍の症状を悪化させる可能性もあります。

肩こりの酷い方でもありました。実は胃の問題も肩に反射して、 肩こり感を強くします。

胃潰瘍の症状は、腹部やみぞおちに痛みが生じる、胸焼け、膨満感、食欲不振などがあります。また、肩こりや腰痛などの症状が現れることもあります。

胃潰瘍の症状としては

腹部やみぞおちに痛みが生じる
胸焼け、膨満感、食欲不振など
でしたが、この方は、ひどい腰痛が出ていて、相談を受けました。
違う方も腰の少し下、臀部の上に少し押さえるだけで飛び上がるほどの痛みがありました。
小野寺臀部圧痛点と呼ばれ、胃・十二指腸潰瘍など消化器病の診断に用いられる圧診断法の一つです。

食事制限

  • 食事療法消化に良いものからを少しずつ摂取量
  • カロリーを段階的に切り替える
  • カフェイン、アルコールは摂取できない
  • 禁煙する

指圧やマッサージで気をつけないと、イケないのは、背中の気持ちいい指圧は胃を活発にし、胃液が出て、潰瘍に触ることです。ストレスコントロールにはなるのですが、原因がピロル菌の場合は検査をオススメします。

胃潰瘍の治療には、薬物療法や食事療法、生活習慣の改善などがあります。
指圧やマッサージは、ストレスを解消して胃の調子を整えるのに役立ちますが、胃潰瘍の原因がピロリ菌の場合は、除菌治療が必要です。