増永静人著「経絡指圧治療 百話」第八話|バセドウ氏病

バセドウ氏病は、甲状腺という体の一部が、自分の免疫が攻撃してホルモンを過剰に分泌する病気です。
甲状腺は、首の前にあるひよこ卵ぐらいの大きさの臓器です。
甲状腺ホルモンは、新陳代謝を活発にする働きがあります。

バセドウ氏病になると、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて、全身の代謝が活発になりすぎてしまいます。
バセドウ氏病は、女性に多い病気です。1000人のうち、2〜6人がかかると言われています。

増永氏によれば、心身医学では、幼い頃のトラウマやストレスが原因で発症するのではないかと考えられています。
また、心配性や依頼心の強い人、ヒステリー性格の人など、自律神経が緊張しやすい人も発症しやすいと言われています。
経絡を使った指圧では、「心包虚肝実」が多いと増永氏は観察していました。

疲労が蓄積し、感情の高ぶりなどで血液が酸性に傾く(アシドーシス)状態になり、少しの刺激にもイライラし、興奮しやすい状態にあることを教えています。ゆえにコリを改善しカラダがリラックスするように指圧をするのです。

※アシドーシスの症状としては、以下のようなものが挙げられます。

呼吸困難
倦怠感
吐き気・嘔吐
腹痛

さらに、体の歪みは出るので、仙腸関節や胸椎の歪みによって、甲状腺への血流が悪くなり、ホルモンの分泌が過剰になる可能性があると考えられています。

バセドウ氏病の治療法としては、薬物療法、放射性ヨウ素療法、手術療法などがあります。
指圧や鍼灸は、バセドウ氏病の治療法として認められていません。
しかし、体の歪みを改善することで、症状の緩和に役立つ可能性があります。